私は防衛事務官として約33年間勤務し、民間企業へ転職しました
防衛事務官として勤務していた頃、悲喜こもごもで、嬉しいこともあれば、辛いことありました
実際のところ、防衛事務官になってよかったのかと尋ねられると、よかったと胸を張って言えます
しかし、高校や大学を卒業し、これから国家公務員になろうとしている方の中には、本当にそうなのか?と思っている方もいあるかと思います
そこで今回は、私のこれまでの経験を経て、本音でお伝えしたいと思います
防衛事務官は本当に「やめとけ」なのか
実際に勤務していた私からいうと、そんなことはありません
これまで約33年間勤務しましたが、振り返ると、よかったと思えることは確実にあります
しかし、それでもやはり入職して間もない頃は、「すぐ辞めてやる」「3年で辞めてやる」と思ったこともありました
その思いが強かったら、恐らく今の私はいなかったと思います
いいところもあれば、悪いところもあるというのは、防衛事務官に限らず、どこでもあります
だから、「防衛事務官 やめとけ」ではないと私は思います
ただし、これも防衛事務官に限ったことではありませんが、ひとによって合う合わないはありますので、防衛事務官のメリットとデメリットを知ったうえで決めるほうがいいでしょう
私が退職を考えた理由
私が退職を決めた一番の理由は、すでに別の記事でも書いていますが、人間関係による自身の精神的不調と防衛事務官としての自分の未来には先がないと思ったことです
私が退職を考え始めたのは、40代後半になったときです
あと10年働けば、通常どおり定年を迎えます
そこから再雇用を希望すれば、最大5年間働くことができます
ただし、60歳以降の給与は7割になって、昇給もありません
そして、65歳になれば、必然と外の世界に放り出されます
そこで悠々自適なご隠居生活ができるほどの私財があればいいのですが、残念ながら私にはありません
とあると、そうなると65歳からも働く必要があります
しかし、65歳でいきなり民間で働くとなると、何ができるのか?
ふとそんなことを思いました
何もできないよね…
少なくとも、どこも雇ってもらえない自分しか想像できませんでした
仮にあったとしても、コンビニのバイトか、交通整理のひとか、介護するひとぐらいだろうと思いました
正直、自分には無理と思いました
それなら、少しでも早く民間企業での事務職を経験できる環境に身を置いたほうがいいのではないか?
そこから資格取得をしながら準備を進め、52歳で早期退職制度を活用をして退職しました
私が退職した理由の詳細は下記の記事にもありますので、合わせてご覧ください
私が退職するまでの経緯はこちら
防衛事務官のメリット
実際に勤務して私が感じた防衛事務官のメリットは以下のとおりです
- 身分が安定している
- 給与・手当・退職金などの制度が整っている
- 賞与が必ずでる
- 休暇制度が充実している
- 休日が多い
- 福利厚生が比較的充実している
- ローンが組みやすい
- 病休、休職が利用しやすい
- いろんなひとと接することができる
- 民間では経験できない業務に携わることができる
防衛事務官はなんてたって、国家公務員です
公務員ならではの安定感があります
そのため、安定して給与と賞与がもらえるため、生活設計がしやすいです
私が退職して改めて思ったのが賞与の大きさです
ここは民間との大きな違いだと思いました
大手企業に就職できる身であれば別ですが、私のように中小企業しか道がない場合、この差を痛感します
また、退職金も高卒の自分でも民間企業より多い感じがしました
これは最初に勤務した清掃業の有限会社で、実際に見聞してわかりました
その分毎月の給与で天引きされる金額が多いですが、退職してそれが活かされていると感じました
それから公務員であれば、住宅ローンや車のローンの審査が通りやすいというのもあります
住宅購入時も、あっさり審査が通過しましたので、公務員すげえって自分でも思いました
休日の多さと有休の取りやすさも魅力のひとつです
防衛省、自衛隊というと、24時間勤務が当たり前だろと部外者で思う方もいるかと思いますが、実際はそういうわけではありません
勤務場所によって変わりますが、公務員なので基本は土日祝です
特に防衛事務官は自衛官と違いますので、土日祝がお休みです
また、有給も民間よりも取りやすいです
私が若い頃は有休をとろうとすると理由を聞かれたり、その理由じゃダメだとか、遊びに行くのに使うのはダメだという風潮がありましたが、今は逆に取れるときには取るように推奨しているところが多いです
今は上の人間が年間15日は有休を取るように指導があったりしますので、本当にいい時代になったものだと思いますね
そのため、遠い場所の旅行などの計画もしやすいかと思います
他には、防衛省、自衛隊にはいろんな職種のひとがいますので、様々なひとと接する機会が自然と増えます
その中で、いい人がいれば離れていても連絡を取り合う仲にもなったりしますので、知り合いが自然と増えます
また、防衛省、自衛隊の業務は専門性な業務や特殊な業務が多くあり、それらを実地に見聞できるのも魅力のひとつです
ニュースとかで災害派遣の話題や国防に関するニュースがでると、部外者のひとには見えない部分が垣間見えたりしますので、ちょっとした優越感がもてます
ただし、防衛事務官も自衛官と同様に守秘義務がありますので、くれぐれも得意になって表に出すのは厳禁です
防衛事務官のデメリット
次に実際に勤務して感じたデメリットは以下のとおりです
- 転勤がある
- 失業保険がない
- ヤバいひととの遭遇率が高め
- 民間で活かせる業務がほぼない
- 自衛官との関係性で悩むケースがある
- 配置される部署によっては、業務量に幅がある
- 配属先によっては希望する休みが取れないこともある
- 頑張ってもある程度の評価しかされない
防衛事務官になると、勤務地が全国にあるため、基本全国対象の異動があります
私のように両親の介護を理由に出世と引き換えに、地元の基地にい続けるパターンもありますが、そのかわり人事からは毎年いろいろ嫌みや圧を受けます
近年はブロック管理制度なものがあって、1年に1回ある経歴管理調査の紙に希望する地域ブロックをあげるようになっていますが、実質そとおりにはなっていない印象があります
自衛隊の約3割が九州出身というのもあるせいか、九州に希望が集中する傾向がありますので、昔は一度出ると二度と戻れない説がありました
それから配置された部署によっては、有給が自由に取れないというケースもあったりします
また、部署によっては多忙なところろ暇なところがあり、その差の大きさは結構あります
私の場合、若い頃に配属なった基地では、年度末になると1か月に泊まり込みとか、3日間徹夜というのもありましたし、ある期間は深夜残業があったりもしました
そういう部署に配属されると、当然、有給が自由に使えない状況が発生しますので、同期の間でもあっちは自由に休めて、こっちは休めないというパターンが起こります
ただし、こちらも今は働き方改革の流れを受けて、ほとんどなくなっていますが、やはり24時間体制の自衛隊なので、今も場所によっては存在します
それから自衛隊の基地に配属されると、自衛官と防衛事務官との考え方の相違があったり、適切な表現ではありませんが、差別的な扱いをされることもあります
東京にある防衛省本省など防衛事務官の多い場所に行けば、そういうことはありませんが、地方の基地に行くと、事務官の数自体が少ないため、肩身の狭い思いをすることもあります
私が所属していた航空自衛隊ではそういう扱いはありませんでしたが、陸上自衛隊に勤務したことのある同期の事務官は、相当な差別的な扱いを受けた話を聞いています
今は時代も変わっているため、そういうことはなくなっているかもしれませんが、自衛官と事務官の違いで悩む可能性も少なからずあります
また、民間企業と違い、売り上げが伸びたから給与が跳ね上がるということはありません
そのため、どんなに頑張っても、一定の評価しかもらえません
しかし、逆に頑張らなくても、明らかな法律違反や余程業務をしないということがない限り、一定の評価はされます
真面目なひとがバカを見るという世界が存在しているわけです
このギャップに直面した真面目なひとが嫌気をさして、退職するというのが頻繁に起こっているのが実情です
50代で辞めるリスク
これは実際に感じたことですが、50代だと40代に比べて再就職の門が一気に狭くなります
求人票を見ると、この求人いいかもと思っても、48歳までとかいう条件があったりして、断念するパターンが多かったです
正社員にこだわらなければ、まだ採用される会社はあると思いますが、正社員となると一気に厳しくなります
50代となると、企業側は即戦力を求めます
しかし、防衛事務官の場合、それまでやって来た業務が直結して活かせるものがほとんどないのが現状です
そうなると、必然と未経験者扱いになるわけで、そこから再就職するのは至難の業だというのは、想像に難くないのではないでしょうか
同じ未経験なら、当然若いひとを企業側は選択するからです
50代で防衛事務官を早期退職する場合は、そのリスクを頭に入れて判断することが重要です
民間企業へ転職して分かったこと
私は4月で家族経営の有限会社に就職しましたが、試用期間が終わった7月に具体的な理由も言われないまま雇止めされました
このとき思ったのは、公務員だったらこんな感じでクビにはならないよなということです
この会社がヤバ過ぎというのもありますが、結果として簡単にクビになるんだというのを身をもって知りました
気がつけば、本人が何もわからないまま無職になる
これが民間企業の世界の一部なんだと思いました
業務については、この会社の風土が緩すぎるせいもありますが、逆に緩やかな印象を受けました
防衛事務官時代と違い、キビキビするような感じではありませんでしたし、業務内容も関係する資格をもっていたり、勉強していたこともあって、できない感じはありませんでした
そのため、短い期間でしたが、民間でもやれる自信にはなりました
ただ、最初に経験した民間企業がヤバい会社でしたので、今度就職する社会福祉法人では厳しさを叩きこまれる可能性はあると思っています
辞めない方がいいひと
個人的に辞めないほうがいいひとはこういう方だと思っています
- 同じ業務だけを続けたいひと
- 同じルーティンで仕事をしたいひと
- 向上心に乏しいひと
- 今の職場環境が嫌というだけのひと
- 退職後に明確なビジョンを持っていないひと
まず民間企業の事務職は、大企業でなければ複数の業務を受け持つことになります
防衛事務官時代は、明確に担当がわかれていて、これだけやればいいという感じですが、民間企業に就職すると、ひとりで経理と労務を一緒にするということもあります
いろんな業務をすることに抵抗があるようであれば、このまま残ったほうがいいと思います
それから退職する理由が職場環境が嫌というだけのひとも、辞めないほうがいいと思います
私も確かに職場環境も原因になっていますが、主因ではありません
私の場合、その前にこれから先を見据え、民間企業の実務経験を積みたいという明確な目標がありました
「職場環境が嫌」と「職場環境も嫌だけど、他に確かな目標がある」の差は大きいです
「職場環境が嫌」で辞めると、次の就職先でも「人間関係が合わない」「職場環境が合わない」というパターンに陥って、結果辞めるという可能性があります
そのため、単に「職場環境が嫌」だけで辞めるのは、オススメしません
それから、一番大事なのは「職後に明確なビジョンを持っている」ことです
私は民間企業の実務経験を積みながら、いずれは士業で独立も狙っています
そういう先の見通しを持って退職しなければ、家族を納得させることもできませんし、自分も退職後に「こんなはずじゃなかった」となります
もっとも、私もそういう先のビジョンをもって準備をすすめて、退職して3か月後のまた無職という想定外の出来事が起こりましたので、そうしても失敗することもあります
しかし、何のビジョンもないまま、行き当たりばったりで退職すると、それこそ失敗して後悔することになるでしょう
辞めたあとにやりたいことが明確でない場合、そのまま残るべきだと私は思います
転職した方がいいひと
逆に転職したほうがいいひとは、どんなひとでしょうか
私はこういう方だと思います
- 退職してやりたいことが明確にあるひと
- 覚悟と勇気を持っていること
- 成果主義歓迎なひと
- 必要な苦労や努力を惜しまないひと
- 向上心が高いひと
- 謙虚さと我慢強さをもっているひと
自分自身が全部当てはまっているかは別として、一番必要なことは「退職してやりたいことが明確にあるひと」です
どうしても防衛事務官の身ではできないことは存在します
私はそれを強く思うようになって、自分のやりたいことをやるという意思をもって家族を説得し、退職しました
安定した国家公務員で防衛事務官の身分を捨てるのは、相当な覚悟と勇気が必要です
また、民間企業に就職すると、すべてがイチからで50代でも新人と同じです
年下のひとから、いろいろ注意を受けたり指導を受けることもあります
それを謙虚に受け入れ、たまには頭にくるころがあってもグッと我慢できる性格でなくてはならないと私は思っています
一度退職すれば、当然後戻りはできません
だから、不退転の決意が必要です
それができるひとは、逆に退職してさらなるステップを歩む資格があると私は思います
私自身が退職してどう感じたか
あるとき、自衛隊で一緒に勤務した学生時代の同級生と集まって飲む機会がありました
ちょうどそのとき、最初に就職した会社から雇止めされる可能性を知った直前で、そのことは話した際、同級生のひとりから「自衛隊辞めて後悔していないか?」と言われました
実は雇止めされた後日、妻にも同様の質問をされましたが、私はまったく同じ答え方をしました
「後悔はまったくしてない」
これだけは即答できました
確かに想定外の出来事でどうしようってなりましたし、その出来事があった当初は精神的にも堪え、自分でも感情を抑えきれず、八つ当たりしたり、言動がおかしかったりして、負の感情に支配された時期もありました
しかし、不思議と防衛事務官時代を振り返ることはありませんでした
本当にこれだけは何故後悔する気持ちにならないんだろうと自分でも思っています
そして、今はすっかり落ち着きを取り戻し、冷静になって日々を過ごしています
私の場合、次の就職先が運よく見つかったのもありますが、無職の期間は1か月半ですんだのは大きいです
人生で先のことなんてわかりません
しかし、先を歩く道を作ることはできます
その道を迷わずまっすぐ進む強い意志があれば、50代防衛事務官でもなんとかなることを結びの言葉としてお伝えいたします
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